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東日本大震災から9ケ月目(2011.12.11)に開催した東北復興応援チャリティー・コンサートTama・Tokyo Action~冬の章~に参加した4団体(OH!ジーンズ(主催)/エスニック・キッチンROSSA/日本の踊りを習う会)は、その後も、それぞれの音楽活動を通じて、復興応援に取り組んでいます。

OH!ジーンズと日本の踊りを習う会が、東北応援CDを作りました。
エスニック・キッチンが結成5周年を記念して、東北応援CDを作りました。
東北応援CDについてのご報告~売上金全額を「仙台つどいの家」に復興義援金として寄付しました

「岩手の人」を思いつつ、コンサート案内状を出しました(2011.11.4) [★準備日誌]

昨日と今日は、ひたすら宛名書きをしていました。
ひとつはコンサート案内状。
出演メンバーに案内はがきの必要枚数を出してもらって、全部で310枚印して分配。
そろそろ一ヶ月前が近づいたので、私の分は、一気に宛名書きして投函しました。

これだけパソコン依存の生活をしているのに、年賀状とかの宛名は未だにパソコンの宛名印刷を使わず、一枚一枚、ひたすら手書きです。

もうひとつは、喪中の葉書。
今年4月に盛岡の義父(タケ氏の父)が亡くなったので、今年は喪中です。
11月半ばになると、いよいよ最後の詰めで忙しくなりそうなので、喪中の葉書を出し損ねたりしたら大変。
昨日、早めに出そうと思い立ち、パソコンで作りました。

義父は96歳で亡くなる最晩年まで水墨画を描き続け、毎年、大きな作品を展覧会にも出展していました。
生まれ育った盛岡のシンボル・岩手山を、何枚も何枚も、いろいろな構図で描いていました。
その絵を喪中の葉書に載せました。

父得三の水墨画・岩手山.JPG

この喪中の葉書も、今日、出してしまいました。
11月4日、ちょいと早すぎましたかな。

喪中の葉書に載せた義父の作品は、13年前から我が家の和室の壁に飾ってあります。
そしてこれからもずっと。

几帳面な筆遣いは、義父の性格そのもの。
でも、几帳面な反面、いつもほがらかで、決して声を荒げることのない人でした。
そして、とても粘り強く、我慢強く、安定した心で作品制作に黙々と励む人でした。
遺品を整理していたら、小さな半紙に描いた下絵のような作品がたくさん出てきました。
まず小さな絵を何枚も描いて、その構図を拡大して大きな作品にとりかかっていたようです。
最晩年まで、旺盛な創作意欲が途切れることのない人でした。

父が入院したのは昨年の暮れでした。
3月11日の東日本大震災の時は病院にいました。
亡くなったのは震災から約1ケ月後でした。

ちょうどそのころ、国分寺で活躍している岩手出身の音楽家から、傷ついた故郷岩手を思うメールが届きました。
そのメールに、高村光太郎の詩「岩手の人」が添えられていました。

岩手の人沈深牛の如し。
両角の間に天球をいだいて立つ
かの古代エジプトの石牛に似たり。
地を往きて走らず、
企てて草卒ならず、
ついにその成すべきを成す。

※沈深:落ち着いていて思慮深い・こと(さま)。
※草卒:忙しく慌ただしいこと。あわてて事を行うこと。なげやりなこと。いいかげんなこと。また、そのさま。

この大災害に耐え、やがて成すべきを成すために立ち上がるであろう、東北人の姿そのものです。
被災した人々のあの不思議なほど穏やかな表情の奥には、私たちの想像を超える忍耐があることを推し量らなければなりません。
そして、東北の苦渋の歴史の中で生き抜いてきた末裔たちの底力そのものです。

それはまさに義父の姿そのものでもあります。
そしてそれが、岩手山なのです。

私がこれから音楽を続ける道中で学ぶべきお手本は、義父の描いた岩手山の絵の中にあります。
喪中の葉書にその岩手山の絵を入れることで、あらためて、今回の東北復興応援コンサートへの思いを強くし、何か背骨のようなものを鋳込むことができた。そんな気持ちになっています。


以下は、高村光太郎の詩「岩手の人」全文です。

岩手の人眼(まなこ)静かに、
鼻梁秀で、
おとがい堅固に張りて
口方形なり。
余もともと彫刻の技芸に遊ぶ。
たまたま岩手の地に来たり住して、
天の余に与ふるもの
其の如き重厚の造型なるを喜ぶ。
岩手の人沈深牛の如し。
両角の間に天球をいだいて立つ
かの古代エジプトの石牛に似たり。
地を往きて走らず、
企てて草卒ならず、
ついにその成すべきを成す。
斧をふるって巨木を削り、
この山間にありて作らんかな、
ニッポンの背骨岩手の地に
未見の運命を担ふ牛の如き魂の造型を。



nice!(11)  コメント(6) 
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コメント 6

rtfk

岩手の人のように
なりたいと
思いました(^m^)
by rtfk (2011-11-05 05:10) 

kawasemi

nice&コメントありがとうございました。
今日も片づけをします。
終わった後が気持ちいいです。

素敵なお父様でしたね。
お父様の姿を思いながら、生きていかれるのですね。
含蓄のある詩、何度か読み返しました。
by kawasemi (2011-11-05 10:11) 

haku

味わい深い水墨画ですねぇ♪
生涯続けるっていうのは素晴らしいことですね!!
by haku (2011-11-05 10:16) 

お水番

rtfkさん、雨ニモマケズ 風ニモマケズ・・。これも岩手の人ですね。
昔、義母が「雨ニモマケズ」の詩が書いてある額をくれました。毎日見なさいという意味かなと思って、今もパソコンの前にかけてあります。
by お水番 (2011-11-05 11:15) 

お水番

kawasemi さん、私も片付けに突入したいと思いつつ、まだ無法地帯のまんまです。
人生、現役を退いてからが長いですからね。創作意欲をもちながら心豊かに生涯を送った義父のことは、生きている時から「高齢者の理想の姿だなあ」と思っていましたが、残されたたくさんの作品を見ながら、人生のお手本だなあと思っています。
by お水番 (2011-11-05 11:18) 

お水番

hakuさん、音楽はいくつまで出来るかなあと最近考える年齢になりましたが、とりあえず80歳まではやる!
by お水番 (2011-11-05 11:20) 

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