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東日本大震災から9ケ月目(2011.12.11)に開催した東北復興応援チャリティー・コンサートTama・Tokyo Action~冬の章~に参加した4団体(OH!ジーンズ(主催)/エスニック・キッチンROSSA/日本の踊りを習う会)は、その後も、それぞれの音楽活動を通じて、復興応援に取り組んでいます。

OH!ジーンズと日本の踊りを習う会が、東北応援CDを作りました。
エスニック・キッチンが結成5周年を記念して、東北応援CDを作りました。
東北応援CDについてのご報告~売上金全額を「仙台つどいの家」に復興義援金として寄付しました

布施明も歌う福島県民謡「新相馬節」 [★楽曲紹介]

(2011.10.31 一部訂正、歌詞追加)

OH!ジーンズのレパートリーの中で、私がもっとも好きな歌のひとつ。
望郷の思いを切々と歌うこの曲は、どんな時でも心打たれますが、3.11の地震・津波災害、そして福島原発の事故以来、ふるさとを離れることを余儀無くされた人々の思いをあらわす歌として、特別な意味をおびてきたようです。
いわゆる民謡スタイルの民謡の枠を超え、さまざまなジャンルの人がこの曲をとりあげ、日本のスタンダードとして、あらたな伝承が始まりそうな気配を感じています。

「新相馬節」を、あの布施明さんが歌っているのを発見。
チヨロギ さんという方のsmall little thingsというブログに紹介されていました。
http://chorogi.blog.so-net.ne.jp/2011-10-30
布施さんのお母さんが東北出身で、東北地方には大勢の親戚がいらっしゃるとのこと。
相馬の避難所の訪問で歌おうと猛練習なさったようですが、結局、相馬では歌いだすことができず、東京のコンサートで歌ったところ、大きな共感を呼んだようです。
おハヤシも伴奏もない完全なアカペラで、魂を揺さぶるような歌声です。



布施明オフィシャルウェブサイトのメッセージ:
http://www.fuse-akira.com/message.html

OH!ジーンズではこの曲を、沼下実が歌います。
下の音源は、今年1月、OH!ジーンズとエスニック・キッチンがジョイントで自主コンサートを開催した時のライブ録音です。(アナウンスやMCもはいっちゃってますが)
まだ、震災が起きる前のコンサートで歌ったものですが、その時、このような未曾有の災害が起きようとは、誰が想像したでしょうか。



3.11の大災害が起きたのは、このコンサートから約1ケ月半後のことでした。
OH!ジーンズのメンバー4人のうち、沼下と飯田は宮城県出身。畑中は父が宮城、夫が盛岡出身。
そしてリーダー大畠は広島出身ですが、奥さんは福島出身。
それぞれの故郷が大きな被害を受け、親類・友人らの安否がつかめない日々が続きました。

そんな状況ではとても音楽をやる気持ちにはなれず、また実際、音楽をやれる状況ではなくなり、しばらくの間、稽古を休みました。
昨年は月に1本以上はいっていた、福祉施設などでのボランティア演奏の依頼もパッタリととだえました。
世の中は自粛ムード一色となった上に計画停電の影響もあり、ありとあらゆるコンサート・イベントが中止となり、エスニック・キッチンのほうも、ROSSAとのジョイントライブを延期しました。

福祉施設などでのボランティア演奏の依頼がポツポツとはいりはじめたのは、初夏になってから。
しかし、その選曲には頭を悩ましました。
新相馬節のような、被災地に対する切々たる望郷の曲を、今、歌ってよいものだろうか、と。

震災後、最初のボランティア演奏で、ある高齢者福祉施設を訪問した時は、演奏曲目から新相馬節をはずしました。施設の利用者さんの中には、多くの東北人がいらっしゃるはずだし、福島・相馬出身の方もいらっしゃるかもしれません。新相馬節は、今聞くにはあまりにも辛い歌かもしれない・・。

今だからこそ歌うべきではないかという思いもありながら、限られた演奏時間の中にリクエスト曲も入れ、明るい歌を選んで演奏に赴きました。
ところが、決められた演奏時間ピッタリに予定の曲を演奏し終えた時、思いがけずアンコールがかかりました。
今回は時間がしっかり区切られていたため、私たちはアンコールの用意をしていなかったのですが、リーダー大畠のとっさの呼びかけで、アンコールに新相馬節を歌うことにしました。

沼下の歌はいつにもまして伸びやかで、情感溢れる歌でした。
私は、胸にグッとこみ上げるものを抑えながら、笛を吹きました。

その沼下が歌い終えた後、宮城の海側に住む二人の友人が家を流されてしまったという話をしながら、途中で声を詰まらせました。
山登りが好きで、無口でクールな沼下が。

以来、OH!ジーンズは、演奏のたびにこの曲を歌っています。


「新相馬節」歌詞(今回は2番まで歌います)
ハアー・・・アー・・・
はるか彼方は 相馬の空かヨ ナンダコラヨート(ハァー チョイ チョイ)
相馬恋しやァー なつかしや ナンダコラヨート(ハァー チョイ チョイ)

ハアー・・・アー・・・
ほろり涙で 風呂たく嫁ごヨー ナンダコラヨート(ハァー チョイ チョイ)
煙いばかりじゃ ないらしい ナンダコラヨート(ハァー チョイ チョイ)

ハアー・・・アー・・
秋の夜寒に 針の手止めてヨー ナンダコラヨート(ハァー チョイ チョイ)
主の安否を 思い出す ナンダコラヨート(ハァー チョイ チョイ)

ハアー・・・アー・・
鴎の鳴く音に 窓の戸開けてヨー ナンダコラヨート(ハァー チョイ チョイ)
聞けば松風 波の音 ナンダコラヨート(ハァー チョイ チョイ)



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rtfk

こんばんは^^)
新相馬節聞かせていただきました。
今聞くと震災後の様々な事象が頭の中を巡りますね。。。
しかしその静かな調子とメロディーは震災から復興しようとする
静かな力強さを秘めているように感じます。

by rtfk (2011-10-30 23:05) 

般若坊

日本の民謡がこのように伝承されて行く事にうれしさを感じます。世界に誇れる日本の旋律です。もっともっと世界に向けて発信していただきたいと思います。
by 般若坊 (2011-10-31 09:10) 

erucat

お水番さん おはようございます^^

「Tama Tokyo Action ~冬の章」開設されたのですね^^
おめでとうございます♪
コンサートのご成功と益々のご活躍を期待いたします!
by erucat (2011-10-31 09:19) 

お水番

rtfkさん、新相馬節を聞いてくださって、ありがとうございます。
自分のふるさとがどこであっても、ニッポンというふるさとを思う気持ちに切々と迫ってくる歌ですね。
この曲が、ニッポンというふるさと再生のためのシンボリックな曲になって行くような気がします。
by お水番 (2011-10-31 11:00) 

お水番

般若坊さん、ありがとうございます。
微力ですが、世界に向けて、がんばります!
by お水番 (2011-10-31 11:04) 

お水番

erucatさん、お久しぶりです。復帰、お待ちしておりました。
こちらにもいらしてくださり、本当にありがとうございます。
真姿の泉ブログのほうは、一ヶ月、放置状態になっていますが、12月のコンサ-トまではそちらに全力投球です。

by お水番 (2011-10-31 11:06) 

urara☆

同じ歌でも、歌われる方によって、それぞれが良いですね~(^^♪

by urara☆ (2011-10-31 16:48) 

お水番

urara☆さん、いつも本当に丁寧に読んでくださって、ありがとうございます。
布施明さん、子どものころから大好きなのですが、彼の「新相馬節」に心打たれたのは、いわゆる民謡の唱法にすり寄ることもなく、ベルカントでもないし、彼の本職としてのポピュラーやカンツォーネの唱法でもない、いわば歌手としてのプライドを超えたところで、素の人間として歌っているような気がします。
歌の上手な人が、上手をかなぐり捨てて歌っているところが凄い。
「新相馬節」という曲自体に、そうさせる何か力のようなものがあるのかもしれません。
OH!ジーンズの沼下の歌も、練習のたびに私はホロホロしちゃいます。
by お水番 (2011-10-31 17:24) 

チヨロギ

こんばんは。
記事へのリンクをありがとうございました。
新相馬節、望郷の想いが伝わってくるほんとうにいい歌ですね。
by チヨロギ (2011-10-31 22:36) 

お水番

チヨロギさん、布施明さんの「新相馬節」は、昨夜の稽古の時、メンバーにも聞かせました。
みな、衝撃を受けていました。
ありがとうございました。
by お水番 (2011-11-01 10:09) 

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